【髪はどうやって生まれるの?】
〜角化と毛髪形成の仕組みを知って、育毛や美髪ケアに役立てよう〜
髪の毛は「頭皮から生えているもの」として見られがちですが、
その成り立ちはとても複雑で、皮膚の奥深くにある“毛根”の中で日々活動が行われています。
今回は、「髪がどのようにして生まれ、伸びていくのか」
その根本である「角化のメカニズム」と「毛髪の形成過程」について解説していきます。
🧬 髪は“細胞分裂”によって生まれてくる
髪の毛は、毛根の中にある「毛母細胞(もうぼさいぼう)」が、
細胞分裂を繰り返すことで形成されます。
その毛母細胞に指示を出しているのが、さらに奥の「毛乳頭(もうにゅうとう)」です。
毛乳頭が指令塔:毛細血管から栄養や酸素を受け取り、「細胞分裂しなさい」と指示
毛母細胞が工場:その指示に従い、活発に細胞分裂を行う
このようにして新しい細胞がどんどん作られていきます。
🔄 角化(かくか)とは?
この生まれたての細胞が、上に押し上げられていく過程で起きるのが「角化(かくか)」です。
角化とは:
細胞が徐々に“死んだ細胞”へと変化し、最終的にケラチン(硬いタンパク質)に変わっていくこと
つまり、今見えている髪の毛は、すでに角化を終えた“死んだ細胞”の集合体というわけです。
🧱 髪の毛はどうやってできている?
毛母細胞が分裂し、角化していくと以下の3つの層に分かれていきます:
メデュラ(髄質):中心部。空洞や空気を含む層(細毛や軟毛にはない場合も)
コルテックス(皮質):髪の80%以上を占める。ケラチンとメラニンが主成分。
キューティクル(表皮):表面のウロコ状の層。内部を守るバリア機能を持つ。
これらはすべて、角化によって形成される“死滅細胞”です。
🎨 色も形も“角化”で決まる?
角化の過程では、色や太さ、硬さなども決定されていきます。
**色素細胞(メラノサイト)**がメラニンを生成し、髪に色をつける
ケラチンの構成や配列によって、髪の太さ・質感・くせ毛の形状などが決まる
これらすべてが、「細胞分裂」と「角化」の過程でコントロールされています。
🧠 角化は“止まる”こともある?
実はこの角化のリズムは、ストレス・栄養不足・ホルモンバランスの乱れなどによって影響を受けます。
たとえば…
成長期が短くなる → 細胞分裂が弱くなる → 細毛・産毛化
角化の質が落ちる → キューティクルの形成不良 → 枝毛や切れ毛
メラノサイトの働きが低下 → 白髪の増加
つまり、毛母細胞と角化の状態が髪の健康を左右するということなんです。
🧴 美髪づくりは「角化を整えること」から
角化を正常に進めるには、
頭皮の血行をよくする(酸素と栄養を届ける)
バランスの取れた食事(たんぱく質・亜鉛・ビタミンB群)
睡眠・ストレスケア(ホルモン分泌の安定)
これらが基本中の基本です。
また、外側からは:
マッサージやヘッドスパで毛乳頭の働きを活性化
スカルプエッセンスで毛母細胞をサポート
角化後の髪を守るトリートメントで減点を減らす
といった、内と外からのWケアが重要になります。
✨まとめ:「角化の質」が美髪のカギを握っている
髪の毛は、毛根の奥で分裂と角化を繰り返すことで生まれています。
そしてその質が、髪の太さ・強さ・ツヤ・色、すべてに影響しています。
美しい髪を育てるには、角化のプロセスをスムーズに保つことが何よりも大切です。
“表面の手触りだけでなく、根本の細胞から整える”
そんな視点で、日々のケアを見直してみてくださいね。