髪の「艶」と「ダメージ」の関係をぜんぶ解説【2025年版・保存版】


なぜダメージで艶が落ちるの?

髪がツヤっと見えるのは、表面で光がまっすぐ反射(=鏡面反射)し、内部でも無駄に散らばらないから。
ところがダメージでキューティクルが荒れたり、内部がスカスカになると、光がバラけて拡散→ツヤが弱く見えます。ブリーチなどで内部が変化すると拡散光が増え、艶が下がることが定量的に示されています。spequation.comResearchGate


艶と強く関係する“表面の脂質”18-MEA

髪の表面には18-メチルエイコサン酸(18-MEA)という脂質が並び、撥水性(=水をはじく)とすべりを担当しています。
アルカリ性の処理(ブリーチ・パーマ等)や紫外線、摩擦などで18-MEAが失われる
と、親水化→摩擦増→表面がザラつく→艶低下という流れになりやすいです。PMC+1

ポイント:18-MEAは一度大きく失われると自然な形での“完全復活”は難しいとされます。ただし、人工的に疎水性(はっ水性)を再付与してツヤ見えを戻す技術報告もあります(“本物のF層そのものに戻す”のとは別物)。PMCMDPI


ダメージの三大要因と“艶”への影響

1) ケミカル(カラー・ブリーチ・パーマ)

  • ブリーチは18-MEAの大幅減少、タンパク・メラニンの酸化、キューティクル/コルテックスの変化を引き起こし、**光の拡散↑→艶↓**に直結。MDPIPubMed
  • 過度な反復で表面粗さと内部空隙が増え、ツヤ感はさらに低下します。PubMed

2) 熱(ドライヤー・アイロン)

  • 高温(200℃超)の繰り返しはタンパク質変性や**“バブルヘア”**(髪の内部に気泡ができる現象)を招き、反射が乱れて艶が落ちることがあります。PubMedPMC
  • 目安として140℃あたりが一つの臨界との報告もあり、温度×接触時間の管理が重要です。PubMed

3) 紫外線(フォトダメージ)

  • UVはメラニンの酸化やタンパク質の損傷を引き起こし、色の褪色・手触りの劣化・艶低下につながります。動物モデルでもUV照射で“艶”が下がることが定量化されています。PubMedPMC

「pH」と艶:弱酸性仕上げが効く理由

シャンプーや処理のpHが高すぎる(アルカリ寄り)と、髪表面の電荷が増えて摩擦↑→キューティクルの乱れ→艶が落ちやすくなります。弱酸性(目安pH5前後)は摩擦を抑え、収まりが良くなるため、艶見えにプラスです。PMC+1


“内部ダメージ”と艶の関係:水の出入り=ヒドライルストレス

髪は濡れると膨らみ、乾くと縮みます。この膨張・収縮の反復が続くと内部に疲労が蓄積(いわゆるヒドライルストレス)し、表面のなめらかさや強度が低下→艶ダウン
洗う前に浸透しやすい油(代表:ココナッツ油)を少量なじませるとタンパク流出が抑えられたという古典的だが堅いデータがあります。PubMed+1


艶を取り戻す・守るための“優先順位”

A. サロンでできること

  1. ダメージ診断 → 最小限の薬剤負荷
    ・レベル補正やトーン調整は必要最小で。過度のアルカリ重ねはツヤの敵。PMC
  2. 弱酸性の後処理/グロス系
    ・仕上げを弱酸性レンジに戻すと**摩擦↓&収まり↑**で艶が出ます。PMC
  3. コンディショナー設計(カチオン×皮膜)
    コンディショナーは“摩擦を下げ、滑らかさ・艶・まとまり”を与えるのが本分。カチオン性成分やシリコーンの適切な付着で反射が整う→ツヤ感UP。PMCMDPI

B. おうちでできること

  1. シャンプーは弱酸性寄り(pH≲5〜5.5目安)
    フリズや摩擦を抑え、艶が出やすい土台に。PMC
  2. ドライは“温度<距離<時間”の順に調整
    ・高温・至近距離の長時間は避ける。アイロンは温度とスルー回数を管理200℃超の反復は避けるのが無難。PubMedanndermatol.org
  3. UV対策
    ・帽子・日傘・UVスプレーでフォトダメージを予防→褪色と艶低下を抑制。PubMed
  4. 洗う前オイル(少量)
    ココナッツ油はタンパク流出抑制のエビデンスあり。付けすぎは避け、耳より下に薄くPubMed

よくある誤解を整理

  • 「暗く染めれば艶は出る」
    →色で“艶っぽく見せる”ことはできますが、表面が荒れていれば限界があります。表面のなめらかさ×内部の整いが本質です。spequation.com
  • 「18-MEAはトリートメントですぐ戻る」
    元の共有結合の層そのものを戻すのは困難と考えられます。ただし疎水性を再付与して艶見えを改善する処方はあります。PMCMDPI
  • 「アイロンは高温一気が髪にやさしい」
    高温×接触時間の総量でダメージが増えます。適温+少ない回数が基本。PubMed

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