私たちが日々あたりまえのように行っている「髪を洗う」という行為。
実は、この“洗う”という動作には、髪の毛だけでなく、頭皮の健康を保つうえで非常に重要な役割があります。
では、そもそも「洗浄」とは何を意味するのでしょうか?
洗浄とは、頭皮に付着した不要な物質(皮脂や汗、ホコリ、整髪料、老廃物など)を適切に取り除き、清潔な状態を保つこと。これにより、頭皮が健やかに保たれ、毛根の機能が正常に働きやすくなる=健やかな髪を育てる土壌が整う、というわけです。
■ 頭皮の汚れは2種類に分けられる
頭皮の汚れは大きく2つに分類されます。
- 内因性の汚れ(体内から出るもの):汗・皮脂・古い角質(垢)など
- 外因性の汚れ(外部から付着するもの):スタイリング剤、育毛剤、排気ガス、花粉、ほこり、ヘアケア製品など
これらの汚れは、時間が経過すると酸化し、変質します。特に酸化した皮脂やスタイリング剤の残留物は、頭皮に刺激を与え、毛穴の詰まり・炎症・ニオイ・かゆみといった頭皮トラブルの原因となります。さらに悪化すると、毛母細胞の働きが妨げられ、細毛・抜け毛のリスクも高まります。
ちなみに、現時点の研究では「毛穴の詰まりと抜け毛の直接的な因果関係」は科学的に証明されていないものの、頭皮環境の悪化が髪の成長に悪影響を与えることはほぼ間違いないとされています。
■ 「湯シャン」も選択肢の一つ?
最近注目されている「湯シャン(お湯だけで洗髪する方法)」についても触れておきます。スタイリング剤などを使っていない場合や、カラーやパーマなどをされていない方、また頭皮が敏感な方にとっては、湯シャンが合うケースもあります。
一定期間続けることで、頭皮の常在菌バランスが整い、かゆみやフケが軽減することもあります。
ただし、洗浄成分を使用しないことで、初期段階では臭いやかゆみが強く出ることがあります。
また、外的な汚れや酸化した皮脂などを十分に取り除けない場合、かえって頭皮トラブルを招くこともあるため、生活スタイルや髪の状態に応じた判断が大切です。
スタイリング剤を使用していたり、カラーやパーマをしている場合は、適切なシャンプー剤を使った洗浄を推奨します。
湯シャンをされる場合は、まずは2日に1回、や3日に1回のシャンプーの使用に減らしながらのやり方をお勧めします。
■ シャンプー剤の選び方と洗い方のポイント
洗浄の質を左右するのがシャンプー剤の選び方です。40代以降の方には、以下の点に注目した製品選びをおすすめします。
・アミノ酸系洗浄成分(マイルドで保湿力が高い) ・抗酸化成分(ビタミンE、ポリフェノールなど) ・頭皮保湿成分(ヒアルロン酸、グリセリンなど)
洗い方も重要です。
・お湯で2~3分しっかり予洗い(汚れの約7割はこれで落ちる) ・シャンプー剤は手のひらで泡立ててから頭皮へ ・指の腹で頭皮をマッサージするようにやさしく洗う ・流しは丁寧に、最低1~2分以上(洗い以上に大切)
こうした洗い方を習慣づけるだけでも、頭皮環境が大きく変わってきます。