【髪の内部で何が起きている?】
〜ダメージの進行と空洞化のメカニズムを知ろう〜
「毎日ケアしているのに、なぜか毛先がパサつく」
「トリートメントの効果が続かない…」
「髪の毛がスカスカしてきた気がする」
こうした“慢性的な髪のダメージ”の裏には、
**髪内部で起きている「空洞化」や「メデュラ崩壊」**が関係しているかもしれません。
今回は、髪のダメージがどう進行していくのか、
そして最終的に起こる「内部崩壊」とは何か?について、分かりやすくご紹介します。
🧬 髪の構造は3層からできている
髪は「3層構造」でできています:
層 | 内容 | 役割 |
---|---|---|
キューティクル | 髪の一番外側。ウロコ状のタンパク質層 | 髪を保護・ツヤを出す |
コルテックス | 髪の約85〜90%を占める | 髪の強度・柔軟性・色を決める |
メデュラ | 中心部分(存在しない髪もある) | 髪の軽さや断熱性に関与 |
この中でダメージの進行に最も深く関わるのがコルテックスとメデュラです。
⚠️ ダメージは“外から中へ”と進行する
キューティクルのめくれや剥がれ
→ 紫外線・摩擦・熱ダメージ・薬剤処理などで剥がれやすくなるコルテックスのたんぱく質流出
→ 髪の主成分ケラチンが流出し、強度が低下。弾力やツヤがなくなるメデュラ崩壊、空洞化
→ 内部がスカスカになり、光が乱反射→パサつき・ツヤ消失・切れ毛へ
髪の中が「空洞」になると、見た目や手触りにも大きく影響します。
特に空洞化が進むと、ダメージ補修成分が入っても定着しにくくなるため、トリートメントの効果も持続しにくくなります。
🧪 最新の研究でも明らかに:髪の空洞化は“ダメージの末期症状”
資生堂やミルボンなど大手メーカーの研究により、ブリーチや紫外線、熱などによって髪内部に空洞が生じることが明らかになっています。
ブリーチ1回で最大20%以上のタンパク質が流出
紫外線を3ヶ月浴び続けた髪は、キューティクルとコルテックスがともに崩壊
メデュラの構造が消失し、空洞化による「光の乱反射」がパサつきの正体に
空洞が多くなると、髪は光を透過せず、マットでくすんだ印象になります。
また、水分を吸っても保持できず、広がりやすくなる特徴もあります。
🧴「穴が空いた髪」への正しいケアとは?
空洞化が進んだ髪に、従来のトリートメントだけでは効果が続かない理由は、
補修成分が定着できる足場(基盤)が髪内部にもう残っていないためです。
そこで必要なのが以下のアプローチです:
✅ 疑似CMCやナノ補修成分の活用
→ セラミド類似成分やナノ化ケラチンで、構造を再構築する処方の製品を選ぶ
✅ 熱反応型成分で固定力アップ
→ ヒートアクティブ成分(例:エルカラクトン)を使い、熱で補修成分を定着させる
✅ 表面コーティングだけでなく「内部充填型」の処方を
→ 油分だけでツヤを出すタイプよりも、内側に吸着して補修するタイプのトリートメントを選ぶことがカギ
💡サロンでできるケアと、おうちでの“守る”習慣
サロンでは、ケミカルダメージに特化した内部補修コースが有効です
酸熱トリートメントやプレックス系(ジカルボン酸系)の活用で内部構造を再構築
そしてホームケアでは:
毎日のアウトバスケアで摩擦・熱・紫外線から髪を守る
週1〜2回は内部補修系のマスクやトリートメントで集中ケア
なるべく摩擦や強い熱を避けた生活習慣も大切です
✨まとめ:美しい髪は「見えない内部のケア」から
髪のダメージは、目に見えにくい「中」から静かに進行します。
表面のツヤだけにとらわれず、内部の状態を整える意識が、真の美髪への第一歩です。
空洞化を防ぎ、強くしなやかな髪へと導くために。
サロンケアとホームケアを正しく組み合わせて、芯から美しい髪を育てていきましょう。