髪に必要な栄養素 ― 亜鉛・ビタミンD・ビオチンの本当の話

「最近、髪が細くなった気がする…」「抜け毛が多い…」
そんなときに気になるのが「栄養不足では?」ということ。

中でもよく耳にするのが 亜鉛・ビタミンD・ビオチン の3つです。
雑誌やSNSでも「育毛にいい栄養素」と紹介されることが多いですが、実際はどこまで本当なのでしょうか。最新研究をもとに、わかりやすく解説します。


1. 亜鉛(Zn)

髪と亜鉛の関係

亜鉛は、体の中で細胞が新しく生まれ変わるときに欠かせないミネラルです。髪の毛も細胞が分裂して作られるため、亜鉛が不足すると「髪の成長スピードが落ちる」「抜け毛が増える」ことがあります。

特に、**円形脱毛症や急な抜け毛(休止期脱毛)**の方では、血液検査で亜鉛が低いケースが多いことが研究でわかっています。

どんな食品に多い?

  • 牡蠣

  • 赤身のお肉(牛肉など)

  • 大豆食品(納豆・豆腐)

  • ナッツ類

普段の食事にこうした食材が少ない方は、不足しやすくなります。

注意点

サプリメントで摂る場合は要注意。亜鉛を長期的に摂りすぎると、逆に銅が不足して貧血や神経のトラブルを招くことがあります。
→ 1日の安全な上限は「男性40mg」「女性35mg」ほど。


2. ビタミンD

髪とビタミンDの関係

ビタミンDは「骨を丈夫にする栄養素」と思われがちですが、実は免疫や炎症を整える働きも持っています。毛根を守る力もあるため、近年「髪との関わり」に注目が集まっています。

研究では、円形脱毛症・女性の薄毛・男性型脱毛症の人で、血液中のビタミンDが低い傾向が報告されています。

特に円形脱毛症では、ビタミンDの外用薬や注射が効果を示したという報告もあり、医学的にも注目される分野です。

どうやって摂る?

  • 魚(鮭・サンマ・イワシなど)

  • きのこ(きくらげ・しいたけ)

  • 適度な日光浴

日本人は日光を避ける生活や食生活の変化で不足しやすい栄養素とされています。

注意点

サプリで高用量を飲みすぎると、腎臓や心臓に負担がかかる恐れがあります。医師の管理のもとで必要な量を補うのが安心です。


3. ビオチン(ビタミンB7)

髪とビオチンの関係

ビオチンは「髪のビタミン」と呼ばれることもある栄養素で、皮膚や髪の代謝を助けます。重度に不足すると湿疹や抜け毛の原因になります。

ただし、健康な人に追加で飲んでも効果があるとは限らないことが分かってきています。

効果が期待できるのは?

  • 先天的にビオチンを利用できない体質

  • 特定の薬(抗てんかん薬など)を長期間使っている人

  • 極端な偏食や吸収不良がある人

こうしたケース以外では、明確な効果は証明されていません。

注意点

高用量のビオチンは、心臓や甲状腺の血液検査に悪影響を与えることがあるため注意が必要です。検査を受ける前は医師に「ビオチンを飲んでいる」と必ず伝えましょう。


実際にどう取り入れる?

  1. まず食事から
     → 魚・肉・豆・きのこ・ナッツなどをバランスよく。

  2. 生活習慣を整える
     → 日光を避けすぎない、ストレスを減らす、睡眠を取る。

  3. どうしても気になるときは検査
     → 「血液検査」で不足しているかを調べるのが確実です。

  4. 必要があれば短期間のサプリ
     → 医師や専門家に相談して、安全な量の範囲で補うのが安心。


よくある質問

Q. どのくらいで効果が出るの?
髪の毛は1か月で1cmほどしか伸びません。栄養補給の効果が現れるのは3か月以上先になることが多いです。

Q. 同時に3つ飲んでもいい?
基本的には可能ですが、特に亜鉛は摂りすぎ注意です。総量が「上限を超えない」ことが大切です。

Q. サプリは一生続けたほうがいい?
いいえ。必要なときだけ、短期間で取り入れるのが理想です。まずは食事や生活習慣の見直しを優先しましょう。


まとめ

  • 亜鉛:不足している人に有効。ただし摂りすぎ注意。

  • ビタミンD:不足しやすく、円形脱毛症では治療応用も。

  • ビオチン:効果は限定的。欠乏症の人には必要だが、検査への影響に注意。

つまり、これらの栄養素は「誰にでも効く魔法のサプリ」ではなく、不足している人にとってのサポート役です。

本当に必要かどうかを見極め、日常の食生活や生活習慣を整えた上で、必要なときだけ正しく取り入れることが、髪を守る一番の近道です。

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