ノンジアミン植物染め(ヘナ+ハーブ)って、結局なにが良いの?

はじめに

「刺激の少ないカラーがいい」「白髪はキレイに見せたいけど、頭皮ダメージは最小にしたい」。そんな声に応える選択肢がノンジアミンの植物染め(代表:ヘナインディゴ)です。化学反応で髪を明るくする“脱色”はせず、髪の表面〜内部に色を“のせる・結び付ける”タイプ。配合や手順次第で、オレンジ〜ブラウン〜自然な黒まで幅広く作れます。特に**2ステップ(ヘナ→インディゴ)**は、白髪を自然なブラウン系に落ち着かせたい方と相性が良い方法です。Public Health+1Wiley Online Library


まずは安全面の“公式見解”

  • ヘナ(Lawsonia inermis)は、EUの科学委員会(SCCS)が適切な条件でのヘアカラー使用は安全と結論づけています(乾燥葉中の主成分ローソンは通常1–2%)。Public HealthEuropean Commission

  • インディゴ(Indigofera tinctoria)も、“非酸化タイプ(脱色しない)”で頭上濃度最大25%まで安全と評価されています。Public Health+1

ポイント:どちらも**「非酸化(脱色なし)」の毛染め**という位置づけ。明るくすることはできません(色をのせる・深める方向)。サイエンスダイレクトPMC


仕上がりと色の出方(わかりやすく)

  • ヘナ単品:白髪はあたたかいオレンジ〜赤茶に。ツヤと“ハリ感”を感じやすい方が多いです(個人差あり)。European Commission

  • 2ステップ(ヘナ→インディゴ)落ち着いたブラウン〜ダークブラウン〜自然な黒。白髪のオレンジ味をインディゴの青みで打ち消し、自然な色味に寄せられます。色が落ち着いてくる過程(約24時間〜)で少しずつ色相がシフトするのは、インディゴがインディゴ+インジルビンへと変化していくためと報告されています。Public HealthWiley Online Library


向いているのはこんな方

  • 頭皮刺激をできるだけ避けたい   (ジアミン不使用の選択肢を探している)

  • 白髪を“自然に馴染ませたい”(真っ黒にベタ塗りは避けたい)

  • ツヤ・ハリ感を求めたい(感じ方には個人差があります)

  • 明るくはしなくてOK、地毛になじむトーンで十分

※PPD=パラフェニレンジアミン。一般的な酸化染毛剤の代表的アレルゲンで、PPDアレルギーの方は関連成分(PTDなど)にも交差反応を起こすことがあるため、事前のパッチテストが重要です。PubMed


カラーのやり方(サロンでの基本フロー)

  1. カウンセリング:既往アレルギー、施術履歴、白髪の量と出やすい場所、理想の明度・色味を確認。

  2. 選択

    • ヘナ単品:ツヤ・ハリ重視、オレンジ寄りでもOKな方。

    • 2ステップ(ヘナ→インディゴ):自然なブラウン〜黒系を安定させたい方。

  3. 調合と塗布:ヘナはお湯でペースト化。インディゴは空気酸化に弱いので、練ったら時間を置かずに素早く塗布。Public Health

  4. 放置と乳化・洗浄:過度な摩擦は避け、弱酸性でpHを整える

  5. 仕上げ48時間は高温ツールや強アルカリの洗浄を控えると色が安定しやすい傾向。


よくある質問(Q&A)

Q1. 「明るくできますか?」

A. 植物染め(ヘナやインディゴ)は脱色する力がないので、髪を明るくすることはできません。
白髪を自然なブラウンや黒に“なじませる”のが得意なカラーです。明るさを足したい場合は、ハイライトなど他の技術との組み合わせで対応します。


Q2. 「アレルギーは大丈夫?」

A. 純粋なヘナやインディゴなら比較的安心ですが、それでも植物アレルギーのある方は注意が必要です。
また、市販で見かける“ブラックヘナ”の中には化学染料(PPD)を混ぜた危険なものがあり、強いアレルギーや皮膚トラブルを起こすケースが報告されています。
施術前には必ずパッチテストを行いましょう。


Q3. 「ヘナは体質的に使えない人はいますか?」

A. はい。植物アレルギーがある方は注意が必要です。
ヘナは「ナフトキノン」という天然色素を含み、体質によってはかゆみ・赤み・かぶれを起こすことがあります。インディゴやアムラなど他のハーブも同様で、草木や花粉にアレルギーがある方は反応する可能性があります。
「天然だから安全」とは限りませんので、敏感肌やアレルギー体質の方は必ずパッチテストをしてから使うことをおすすめします。


Q4. 「市販の“ヘナ入りカラー”で失敗したと聞きました…」

A. それは金属塩が混ざった“コンパウンドヘナ”を使った可能性があります。
このタイプはブリーチやパーマとの相性が悪く、髪が緑に変色するなどのトラブル
が起こることがあります。
サロンでは純粋なヘナ+インディゴの粉末を厳選して使用していますのでご安心ください。


ポイントまとめ

  • ヘナやインディゴは白髪を自然になじませたい方におすすめ

  • 明るくすることはできない(脱色作用がないため)

  • 植物でもアレルギーはあり得る → パッチテストが必須

  • 市販の“ブラックヘナ”やコンパウンドヘナは要注意

 


科学的な“中身”をもう少しだけ

  • ヘナの色の正体ローソン(2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン)。髪のたんぱく質(ケラチン)にしっかり結び付く性質があり、ツヤ・ハリ感の変化を実感しやすい方がいます(個人差あり)。European Commission

  • インディゴは青系ですが、塗布後の酸化と時間経過で**インディゴ(青)+インジルビン(赤)**が関与し、落ち着いたブラウン方向へ安定していくと報告されています。2ステップ運用が王道なのはこの性質によるものです。Public HealthWiley Online Library


メリットと限界

メリット

  • ジアミンを避けたい方の受け皿になりやすい

  • ツヤ・ハリ感が出やすい(個人差あり)

  • 伸びてきても境目が目立ちにくい設計が可能(2ステップやブレンドで調整)

限界

  • 明るくはできない(非酸化)

  • 色味の作り分けは”赤みのあるオレンジ” “温かいブラウン寄り”が得意

  • 放置・酸化の管理など手順の丁寧さが仕上がりを左右

まとめると、「頭皮をいたわりつつ、清潔感のある色長くキープしたい」方と非常に相性が良い染め方です。Public Health


アフターケア(色持ち&地肌にやさしく)

  • 48時間は強い洗浄・高温アイロンは控えめに

  • 弱酸性のシャンプー摩擦レス

  • 紫外線ケア(帽子・日傘・UVスプレーなど)


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