「最近、髪が薄くなった?」と思ったら
鏡を見て「分け目が広がってきた気がする」「髪にボリュームがなくなった」と感じたことはありませんか?
女性の抜け毛の原因はさまざまですが、その中でも鉄不足は見落とされやすいポイントです。
実際、鉄不足は血液や体調だけでなく、髪の成長にも影響します。今回は、鉄と髪の深い関係、検査で使われる「フェリチン」の意味、そして日常でできる改善方法までわかりやすく解説します。
鉄はなぜ髪に必要なの?
鉄は血液のヘモグロビンを作るだけでなく、細胞分裂やエネルギー代謝にも欠かせない栄養素です。
髪の毛は「毛母細胞」という細胞が分裂して作られます。鉄が不足すると毛母細胞の働きが弱まり、
髪が細くなる
成長期が短くなり、早く抜けてしまう
新しい髪が育ちにくくなる
といった変化が起こります。結果として、**全体的に髪が薄くなる(びまん性脱毛)**につながるのです。
フェリチンって何?
血液検査で「鉄不足かどうか」を見るとき、よく使われるのがフェリチンという数値です。
フェリチンは、体にどれだけ「鉄の貯金」があるかを示す指標です。
40 ng/mL以下 … 鉄不足の可能性大
40〜60 ng/mL … 境界域(体質や症状で影響が出ることも)
60 ng/mL以上 … 髪の健康には安心とされることが多い
ただし、炎症や風邪などがあると見かけ上高めに出ることもあるため、医師は他の数値と一緒に判断します。
鉄不足になりやすいタイミング
女性は特に鉄不足になりやすい傾向があります。例えば…
月経(生理)で出血が多い
出産後・授乳中(体から鉄が多く使われる時期)
ダイエット中や偏食で肉や魚を控えている
疲れやすい・顔色が悪いなどの自覚症状がある
こうした状況が続くと、髪に限らず体全体に不調が出てきます。
鉄不足による髪の変化サイン
髪のボリュームがなくなった
髪の毛が細く、コシがなくなった
抜け毛が増えて、洗髪時にドッと抜ける
髪のツヤが落ちてパサつきが目立つ
これらは「加齢」や「ストレス」でも起こりますが、鉄不足が隠れているケースも少なくありません。
鉄不足を改善するには?
① 食事から鉄をしっかり
赤身の肉(牛・豚・鶏)
レバー
カツオやマグロなどの赤身魚
あさり・しじみなどの貝類
大豆製品やほうれん草
ポイントは「ビタミンCと一緒に摂る」こと。鉄の吸収率が上がります。
(例:牛肉+レモン、豆腐+野菜サラダなど)
逆に、コーヒーや濃いお茶と一緒に摂ると吸収が下がるので注意しましょう。
② サプリ・薬は必ず医師と相談
「抜け毛が気になるから鉄のサプリを飲もう」と自己判断する方もいますが、注意が必要です。
鉄は摂りすぎると肝臓に負担をかけたり、便秘や胃の不快感を引き起こすこともあります。
血液検査で不足が確認されてから、医師の指導で補うのが安心です。
③ 生活習慣の見直しも大切
睡眠をしっかりとる
無理なダイエットを控える
ストレスをためすぎない
適度に運動して血流を良くする
髪は体の状態を映す鏡のような存在。体調が整えば、自然と髪のコンディションも改善していきます。
美容室でできるケアとの組み合わせ
鉄不足による抜け毛は、体のケアが基本ですが、同時に美容室でできるサポートも役立ちます。
頭皮環境を整えるヘッドスパ
血流を促すマッサージ
髪に栄養を与えるトリートメント
「内側からの栄養」と「外側からのケア」の両方を意識することで、改善スピードを高められる可能性があります。
まとめ
鉄不足は女性の抜け毛の大きな原因のひとつ
フェリチンという数値で「鉄の貯金残高」がわかる
食事からの摂取+医師の指導での補鉄が安心
美容室での頭皮ケアと組み合わせるとさらに効果的
「最近抜け毛が増えた」「髪のハリ・コシがない」と感じるときは、ぜひ一度体の鉄不足も疑ってみてください。